富山には綺麗な河川が多い。名水の里と言われる地域も多く、東京から来た僕にとってはどの河の水も綺麗に見えて羨ましいかぎりだ。夏に向かう季節ともなれば河の涼しい風が恋しくなる。

 炎天下を屋根無しで走るオートバイという乗り物にとって、河沿いの道路は多少だが気温が下がっていて有り難い。

 神通川流域のR41や、庄川流域のR156。今回はそれらをR8で結んでみた。河沿いの道や橋を渡る度に涼しい風が頬を撫でる。

 いつもはタイトなコーナーの連続するアスファルトロードにしか見ていなかった道に新しい風景を見る。

 梅雨が近い新緑のダム湖も、満々と水をたたえ、その大量の水で存在を誇示している。巨大な廃水口には留まることを知らない水流が一時停止によって蓄積されたエネルギーを放出し、より大きな力となって下流へと向かう。激流だ。

 常に流れ続ける水同様に、バイク乗りもまた留まることを知らずただ走りつづけていくのだろう。

 最近、GSXで大きなクラッシュを経験した。イライラしていてかなりの速度で対面追い越し正面衝突。自分の車線に戻るところを右からブッ飛ばされたんで、バイクはマフラーからステップまでこなごな。革パンやエンジニアブーツがなかったら足首から先があったかどうだか。当然バイクは一回転して廃車。俺の右足は打撲でパンパカリン。骨折してなかったのが軌跡だと言われた。まだ完治したわけではないけど、やはりバイクには乗りたいもので右足をステップに引っ掛けて出かけてしまう。そんな時も河はいい。涼し気な風が、すぐに熱くなるだけの、たいして賢くもない脳みそをクールダウンしてくれる。

 そうそうリバーサイドツーリングの変わり処として庄川の小牧ダムの船乗り場はどうだろう。一日に数便だが船が出ているみたいだから、暇があれば一度乗ってみるのも面 白いかもしれない。バイクからたまに降りてみるのも、また面白いかもしれないね。

 「一時停止し、そしてまた激流」

 

  庄川流域には名所と言われる綺麗な景色に恵まれた場所が多い。R156はその河川を舐めるように走る。ひるがの高原までのこのルートはなかなかのものだ。地元にいながら未走行なのであれば、ぜひ一度は行ってみて欲しい道である。


  神通川流域は渓谷のようなその景色に惚れ惚れとさせられる。ボク自身一番好きなルート、それがR41だ。紅葉シーズンは特に美しい。


  R41とR156の間を結ぶR8。夜ともなればブッ飛ばし系の車やバイクが闊歩するこの道も、晴れた昼日中は意外とのんびりとしたものだ。ただし休日は渋滞しやすいゆえご注意を。